セックスレスで夫が拒否するのはなぜ?7人の話でひもとく原因と対処法

食器を拭きながら、たまにはくっついて寝ない?と声をかける。夫はテレビに顔を向けたまま、今日は疲れてる、とだけ。セックスレスで夫が拒否するのはなぜ?思いきって聞いても、答えはいつも、わからない。

結局、私が女として足りないってこと?

布巾をにぎる指に、じわっと力がこもる。

最初に、これだけは受け取ってほしいんです。理由を知りたくなるのは、人としてまっとうな反応。夫が拒むのは、あなたの魅力が欠けているせいとは限りません。はぐらかされても、問い続けた時間はむだになっていない。

妻の側から4人、夫の側から3人。7人の話を突き合わせると、断りが固まっていく道すじが浮かびました。

手がかりは、次の3つ。

・理由を探し続ける自分を、否定しなくていい根拠

・夫の拒否が習慣として根を張っていく、5つの原因

・わからないを二人でほどく、次の一歩

目次

なぜと問うのは当然。夫の拒否で、あなたの価値は決まらない

理由を探すのは、説明のない痛みに輪郭を与えようとする心の働きです。夫が拒むわけの大半は、あなたの顔立ちや体つきの外側で起きています。裏づけとなる話を、3つ。

まず、答えのない空白を、人は自分を責める理屈で埋めがち。欠けたパズルの穴に、いちばん痛い形のかけらをはめこむように。魅力不足だから、という一片は、たまたま手近にあっただけ。

次に、7人の話に出てくる断りの言葉。わからない、忙しい、疲れた、今じゃない。妻の見た目を指す言葉は、一つも出てこない。夫の側の3人が語ったのも、癖になった断りや責められる怖さ、自分への嫌悪。ぜんぶ、夫自身の内側の話なんです!

最後に、返事がぼやけていても、問いは空振りではないこと。夫の口がほどけた家には、戸惑いをようやく言葉にできた夜がありました。問い続けたあなたは、その夜の手前まで歩いてきた人。

もうひとつ。今夜は無理、と言う自由は夫にも、あなたにもある。断った次の朝になじられていい人は、どちらの側にもいません。

セックスレスで夫が拒否するのはなぜ?断りが固まる5つの原因

拒む背景は家庭ごとに違い、一つには絞れません。しかも、断るたびに誘いの数は目減りする。その減り方を夫婦が別々に読むうちに、拒否は硬さを増していく。探したいのは悪者ではなく、全部が自分のせいではなかったと、腑に落ちる手ざわり。

疲れた、の一回が、断る習慣に育っていく

今日は疲れた、今は立てこんでる。同じ断りを、この1年で何回聞いたでしょう?

始まりは、本当にくたくたの夜だったのかも。一度断れば、妻からの誘いは一つ減る。夫はそれを、もう求めていない合図と受け取り、ほっとする。

スマホで何度も打った言葉ほど、予測変換の一番上に出てきますよね。断りも同じで、くり返すうちに頭で選ぶより早く口からこぼれる。疲れで始まった断りが、いつしか心の断りにすり替わる。仕事で空っぽになって帰る夫も。

最初の断りを、もう二度とない合図と読んでいる

最初にノーを出したのは、もしかして自分のほう?まさか、と息が浅くなった人も。

44歳のえみさんの家も、出発点は彼女の断りでした。子育てに追われて疲れきっていた時期に、二度だけ。それきり20年、夫は一度も誘ってきません。

夫は二度の断りを、永久の断りと受け取った。定休日の店を閉店したと思いこみ、二度と寄りつかない客のように。誘わない夫を見て、妻は関心が消えたと読む。実際は、傷ついた記憶を避けているだけのことも。その回避が、気づかいの顔をしているから厄介。

とはいえ、空白の責任を最初の二夜に背負わせるのは酷な話。楽なほうへ流れ続けたのは、えみさんも夫も同じ20年でした。

わからない、に詰まった理由のいろいろ

愛してるとは言う。けれど、指一本のばしてこない。そのちぐはぐさに、頭がぐるぐるしてない?

愛情と性の気持ちがひとつながりの人もいれば、二つが別々に動く人もいます。別々の人は、妻を想っていても、体が向かない時期を迎えることがある。

出産を境に妻を母親として見るようになり、求める気持ちが起きにくくなる人。出産を経た体に、どう触れていいか怖くなる人。意外と見落とされがちなのが、手のつけ方に迷う夫です。家の外ですでに満たされている場合も。気分の落ち込みや、飲んでいる薬の副作用で、欲がしぼんでいる可能性も捨てきれません。

冷めたのかと聞かれれば、違う、としか言えない。家の数だけある理由が、ひとくくりにされて口から出る。それが、わからない、なんです。ふたを閉めた闇鍋のように、中身は本人にも見えていないことがある。

責めを避けたい心と、形の違うプライドの傷

なぜ、と聞いた瞬間、夫の顔から表情がすっと抜け落ちる。そんな場面に覚えは?

なぜ、という問いには、責める響きがまじりやすい。答えれば話し合いになり、話し合えば責められる。そう感じる人ほど、わからない、で蓋をしてしまう。

男のプライドを傷つけられたから、と断じる人もいます。ただ、何が傷になったのかは家ごとにまるで違う。下手だと言われた夜、短いと指摘された夜、今日はむりとだけ返された夜。同じように転んでも、すりむく場所はばらばらでしょう?

妻が追う側に回ると立場が下がり、夫が拒む形に固まる。そんな序列の見立ては、当たる家もある反面、単に疲れた家まで一緒くたにしがち。血液型占いで家族の性格を決めるのに近い話です。

審査される怖さと、失敗したくない気持ち

誘い方を変えては、そのたびに空回り。そんな夜が続いてはいない?

39歳のみきさんが受けた助言は、湯上がりにタオル一枚で誘えばいい、というもの。これ、湯冷めしませんか?(笑)ずっと拒まれてきた彼女は、こう考えました。

(突然、濡れた髪で目の前に立たれたら、夫はむしろ逃げたくなるんじゃない?)

妻が断る側の家向けの一手は、逆の家では夫を怖がらせかねません。誘いが遠のくほど色気のせいにされ、自分の顔まで嫌になっていったみきさん。その顔で誘えば、誘いはすがるような色を帯び、夫は評価される側に立たされる。

家では弾けた曲が、発表会で指ごと止まるように。真面目な人ほど体が固まり、それを魅力不足の証拠にされると、なおさら動けない。

41歳のりなさんの家では、今じゃない、の理由だけがどんどん増える。回数を決めれば冷める、ホテルは出費、家は所帯じみている、旅先では疲れた。

夫は、断っているつもりもない。でも実際は、条件がそろわない形に組み上がっている。組み上げたのは悪意ではなく、失敗を避けたい一心です。

妻からすれば、当たりの入っていない福袋を、毎晩開けさせられる心地。

(もう、女扱いされてないんだ…)

どちらの読みも、まちがいではない。両方正しいから、修復がずるずる遅れる。

【体験談】拒んできた夫3人と、問いかけた妻1人

断る側の話に、嫌いだから、は出てきません。あったのは、断るしかない場所へ自分を追いこむ流れ。

断るたびにほっとしていた、ゆうじさん

38歳のゆうじさんは、妻の誘いを、疲れてる、忙しい、でかわし続けてきました。妻が傷ついているとは、考えもしなかった。断るごとに、誘いは間遠になっていく。

(もう求めてないのか。…正直、ほっとした)

ほっとしたぶん、自分からも手をのばさなくなった。気づけば、頭のほうが先に断り方を覚えていたんです。入口は、ほんの小さな今夜はやめとく、だった。そう思い当たったのは、ずっとあと。

入口が見えても、出口はまだ先。ゆうじさんの話は、今も途中です。

何年たっても答えが同じ、たかひろさん

なぜしないの。42歳のたかひろさんは妻にそう聞かれ、わからない、とだけ返した。数年たった今も、返事は変わらない。話し合いの席につく気にもなれない。

(責められたくない。わからない、って言っておけば済む…)

押し通すうちに、変わっていくこともある。する理由がない、から、避けたいわけがある、へ。たかひろさんは今も、名前のつかない手前で立ち止まっています。

情けない自分を隠したかった、かずおさん

45歳のかずおさんの拒否は、妊活と産後から始まりました。しなくなると触れ合いも消え、妻が近づくたびに断る日々。40代で、二人の夜は戻りました。

向き合い方をまちがえていた、と妻はあとで振り返る。かずおさんの言葉は、今も電報のように短い。つなぎ合わせると、できなかった自分が嫌だった、に近い。見られたくなくて、見られずにすむ時間を選び続けた。それが、そのまま空白になった。

聞いた夜に、鏡の曇りが少し取れたさやかさん

36歳のさやかさんは、産後3年、夫から求められた夜が一度もない。愛してるも、誕生日も、子どもとの休日もある。肌にだけ、触れてこない。

(嫌いって言われたほうが、まだ納得できるのに…)

理由をたずねた夜、夫は少し黙ってから口を開きました。

「そんなんじゃない。どうしたらいいのか、もう見当がつかなくなってた」

湯気で曇った鏡を、手のひらでぬぐったような感覚。拒絶でも、嫌悪でもなかった。

ぬぐった鏡に何を映すかは、これから。どこで迷っているのか、中身まで細かくほどけるか。ほどかないままの返事は、また何年でも使い回せてしまうから。

夫が拒否するセックスレス、なぜを責めずにほどくには

目指すのは、夫を言い負かすことではありません。返事の中身を、二人で少しずつ具体的にしていくこと。

まずは、問い続けてきた自分を認める

なぜ、を飲みこむたびに、胃のあたりがずしんと重くなる(泣)

それでも問わずにいられなかった心を、まずは認めてあげて。夫が迷いを口にできた夜も、解決ではなく、名前がついただけの段階。でも、迷子のアナウンスも名前がわかってはじめて呼び出せるでしょう?名前がつけば、下着やホテルより手前から始め直せます!

今日からできる小さな工夫

なぜ、と聞きたくなる夜は、問いの形を変えてみる。どうして拒むの、ではなく、何が怖い?何ならできそう?と。責める問いは口を閉じさせ、探す問いは口を開かせます。

誘いが審査めいてきたときは、結果を求めない触れ合いに切り替えてみる。今夜は手をつないで眠るだけ、と前もって決めておく。行き先を決めない散歩なら、夫も身構えずにすむ。

わからない、が返ってきた夜は、そこを終点ではなく出発点として扱ってみる。言ってくれてありがとう、でいったん終える。日を改めて、疲れ、怖さ、体のこと、どれに一番近い?と選べる形で聞く。

夫をヒーローのように立てて褒めれば、という助言もあります。効く家もある一方、空振りすると妻の努力不足にされがち。隣の家で評判の店が、うちの家族の口には合わないのと同じです。自分を裁く材料にしないで。

体の不調を疑うときは、責めるつもりはない、と先に言ってから話す。泌尿器科なら相談に乗ってもらえるらしいよ、と情報だけ渡す。受診するかどうかは、夫の手にゆだねておく。

どの工夫も、今日はよそう、と夫が言えばそこで手を引くのが前提です。

理由を探す性分を、二人の味方にする

答えがほしくてたまらない性分も、角度しだいで二人をほどく力に。

短所に見えるところ裏返すと活かせる場面
なぜと理由を突きつめたくなるうやむやにしない誠実さあいまいな返事を具体の言葉へほどける
拒まれるたびに自分のせいだと思う相手の反応に敏感夫が固まる前のサインに気づける
何度でも誘ってしまう関係を投げ出さない粘り強さ見返りなしのスキンシップを続けられる

夫の拒否に悩む妻の、よくある質問

Q.愛してると言うのに拒むのは、なぜ?

冷めたとは限らないんです。愛情は残ったまま、疲れや怖さで体だけが立ちすくむ人も。問い詰めるより、何が止めているのかを一緒に探すほうが近道。

Q.拒否が続くのは、浮気のサイン?

拒否だけで浮気と断定するのは早計です。7人の話でも、語られた理由の中心は疲れやおびえ、しくじりへの不安でした。外に相手がいる場合も、ゼロとは言えません。気がかりなら、胸にしまいこまず、カウンセラーの手を借りて。

Q.夫に病院をすすめても大丈夫?

押しつけなければ、すすめて大丈夫です。窓口は、先に挙げた泌尿器科や心療内科。あなたの体が心配だから、と添えると、詰問に聞こえにくくなります。

まとめ

セックスレスで夫が拒否するのはなぜか。答えの多くは、妻の魅力ではなく、断りが癖に変わる仕組みの側に潜んでいました。

・なぜと問いたい気持ちは、魅力の判定とは別物 ・断りぐせ、最初の断りの読み違い、責めへのおびえ、失敗への怖さが重なりやすい

・なぜを、何が怖いか、何ならできるかの問いに置きかえる

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この記事を書いた人

パートナーに打ち明けられない嗜好、十年続いたセックスレス、自分でも名前のつけられない欲望。
ひとつひとつのケースは特殊に見えて、その奥にあるのは「知られたい」と「嫌われたくない」のあいだで揺れる、ごく平凡な感情です。
フェティシズム、セックスレス、性の不一致、ごくふつうの人たちの不器用な誰にも言えない性の悩み、ひとりで抱えず和らげられますように!

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